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The Gift of the Magi 4 賢者の贈り物4


O.Henry
AOZORA BUNKO 青空文庫
さて、それではここで10秒間、 趣を変えたささやかな事柄について控え目に吟味をしてみましょう。
週8ドルと年100万ドル ―― その違いは何でしょうか。
数学者や知恵者に尋ねたら、誤った答えが返って来るでしょう。
東方の賢者は高価な贈り物を持ってきましたが、その中に答えはありませんでした。
何だか暗いことを申しましたが、ここで述べた言明は、後にはっきりと光り輝くことになるのです。
ジムはオーバーのポケットから包みを取り出すと、 テーブルに投げ出しました。
「ねえデラ、僕のことを勘違いしないで。
髪型とか肌剃とかシャンプーとか、 そんなもので僕のかわいい女の子を嫌いになったりするもんか。
でも、その包みを開けたら、 はじめのうちしばらく、どうして僕があんな風だったかわかると思うよ」
白い指がすばやく紐をちぎり紙を破りました。
そして歓喜の叫びが上がり、 それから、ああ、 ヒステリックな涙と嘆きへと女性らしくすぐさま変わっていったのです。 いそいで、そのアパートの主人が必死になって慰めなければなりませんでした。
包みの中には櫛(くし)が入っていたのです ―― セットになった櫛で、 横と後ろに刺すようになっているものでした。 その櫛のセットは、 デラがブロードウェイのお店の窓で、長い間あがめんばかりに思っていたものでした。
美しい櫛、ピュアな亀甲でできていて、 宝石で縁取りがしてあって ―― 売ってなくなった美しい髪にぴったりでした。
その櫛が高価だということをデラは知っていました。 ですから、心のうちでは、その櫛がただもう欲しくて欲しくてたまらなかったのですけれど、 実際に手に入るなんていう望みはちっとも抱いていなかったのです。
そして、いま、この櫛が自分のものになったのです。 けれども、この髪飾りによって飾られるべき髪の方がすでになくなっていたのでした。
しかし、デラは櫛を胸に抱きました。 そしてやっとの思いで涙で濡れた目をあげ、微笑んでこう言うことができました。 「わたしの髪はね、とっても早く伸びるのよ、ジム!」
そしてデラは火で焼かれた小猫のようにジャンプして声をあげました。 「きゃっ、そうだ!」
自分がもらう美しい贈り物をジムはまだ見ていないのです。
デラは手のひらに贈り物を乗せ、ジムに思いを込めて差し出しました。
貴金属の鈍い光は、 デラの輝くばかりの熱心な気持ちを反射しているかのようでした。
「ねえ素敵じゃない? 
町中を探して見つけたのよ。
あなたの時計にこの鎖をつけたら、 一日に百回でも時間を調べたくなるわよ。
時計、貸してよ。
この鎖をつけたらどんな風になるか見たいの」
デラのこの言葉には従わず、 ジムは椅子にどさりと腰を下ろし、 両手を首の後ろに組んでにっこりと微笑みました。
「ねえデラ。僕達のクリスマスプレゼントは、 しばらくの間、どこかにしまっておくことにしようよ。
いますぐ使うには上等すぎるよ。
櫛を買うお金を作るために、僕は時計を売っちゃったのさ。
さあ、チョップを火にかけてくれよ」
東方の賢者は、ご存知のように、 賢い人たちでした ―― すばらしく賢い人たちだったんです ―― 飼葉桶の中にいる御子に贈り物を運んできたのです。
東方の賢者がクリスマスプレゼントを贈る、という習慣を考え出したのですね。
彼らは賢明な人たちでしたから、もちろん贈り物も賢明なものでした。 たぶん贈り物がだぶったりしたときには、別の品と交換をすることができる特典もあったでしょうね。
さて、わたくしはこれまで、つたないながらも、 アパートに住む二人の愚かな子供たちに起こった、平凡な物語をお話してまいりました。 二人は愚かなことに、家の最もすばらしい宝物を互いのために台無しにしてしまったのです。
しかしながら、今日の賢者たちへの最後の言葉として、こう言わせていただきましょう。 贈り物をするすべての人の中で、この二人が最も賢明だったのです。
贈り物をやりとりするすべての人の中で、 この二人のような人たちこそ、最も賢い人たちなのです。
世界中のどこであっても、このような人たちが最高の賢者なのです。
彼らこそ、本当の、東方の賢者なのです。
 
Copyright (C) O.Henry, Hiroshi Yuki(結城 浩)
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