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LITTLE WOMEN 若草物語 12-7

Chapter Twelve Camp Laurence ローレンスのキャンプ 7

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
それを見送りながらメグはいいました。「あたし、イギリス人が、女の家庭教師をけいべつすることを忘れていました。」
 「あちらでは、男の家庭教師だってよくいいません。なさけないことですがね、
なんといっても、われわれはたらく者には、アメリカほどいいところはありません。」と、ブルック先生は、むしろ満足そうに、いったので、メグはじぶんのことを嘆いたのを、むしろはずかしくなりました。
「ええ、あたしアメリカに生れたのをうれしく思いますわ。
そのために、たくさんのよろこびを得ているのですから。
ただ、あたし、あなたのように教えることが好きになれたら、どんなにいいでしょう。」
「ローリイがあなたの生徒だったら、あなたも教えるのがたのしくなります。
来年ローリイと別れなければならないので、ざんねんですよ。」
「そうです。準備はだいたいできています。ローリイがいけば、ぼくは軍隊にはいります。」
「まあ、すてき! わかい男のかたは、兵隊にいきたがるのはほんとですね。お家にのこるおかあさんや、姉妹たちはつらいでしょうが。」
「ぼくは一人ぼっちです。友だちもすくないし、ぼくが死のうが生きようが、たれも心配する者はいません。」
「ローリイやおじいさんが心配なさいますわ。それに、あたしたちだって、あなたがおけがでもなされば、悲しみますわ。」
「ありがとう。そう聞いてうれしく思いますよ。」と、ブルック先生は、また快活になって話しつづけましたが、ネッドが馬にのって来たので、しずかに話し合うことはできませんでした。
 たった一つ、メグやジョウのおどろいたことがありました。それは、ベスが、人をよろこばせたいという一心から、足のわるいフランクに話を聞かせてやっている光景でした。
それは、また、フランクのいもうとにとっても、びっくりするようなことで、いもうとのグレースは、「フランクにいさんが、あんなに笑っているの知らないわ。」と、いいました。
 日ぐれ近くまで、また、いろいろのあそびをしました。
帰り支度は、みんなでやり、テントをたたみ、クロッケーの鉄輪をぬき、一行はボートにのりこみ、声はりあげてうたいながら、川を下っていきました。
ネッドは、センチメンタルになって、
ひとり、ひとり、ああ、ただ、ひとり。
われら、いまだ年わかく みなあたたかき心もつに なぜにつめたくはなれいく。 と、いうところで、わざとあわれっぽい表情をして、メグをながめましたので、メグは笑い出してしまい、その歌をめちゃめちゃにしてしまいました。
「あなたは、どうしてぼくにつらくあたるんです? 
今日一日、あなたはあのかたくるしいイギリス人にばかりくっついていて、今度はぼくを鼻であしらうんですね。」
 ネッドは怒って、サリーの同意を得ようとして、「あの人、すこしも情味のない人ね。」
「ちっとも。だけど、かわいい人。」 サリイは、友だちの短所をみとめながらもかばいました。
「とにかく、あの人は手おい鹿ではないね。」 ネッドは、しゃれたつもりでしたが、たいしたしゃれとはいえませんでした。
 朝、集合したローレンス家の芝生で、みんなは、たがいに、あいさつして別れをおしみました。というのは、ボガン家の人たちは、カナダへ帰っていくからでした。
四人の姉妹は、庭を通って家へ帰りましたが、そのうしろすがたをながめていたケイトは、今度はかばうような調子などをまじえずにいいました。「アメリカの娘さんたちは、ずいぶん露骨なところはあるけれど、よく知ってみると、とてもいい人たちねえ。」
 すると、ブルック先生がいいました。「ぼくも同感ですね。」
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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