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LITTLE WOMEN 若草物語 5-5

CHAPTER FIVE Being Neighborly おとなりどうし 5

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
ひきおわってから、あまりほめたのでローリイはまっかな顔をしました。
「いや、ほめるのはもうたくさん。この子の音楽はまずくはないが、もっとほかのだいじなことに、身をいれてもらいたいのじゃ。
ああ、もうお帰りか。ありがとう、またお出で、おかあさんによろしく。では、さよなら、お医者のジョウさん。」
 老人の握手はかたかったが、なにか気にいらないようすでした。あとで、ローリイにたずねたら、
ぼくがピアノをひいたからだといいました。
なぜというと、
いつか話すといいました。ローリイは、
「また、来てね。」と、名残りおしそうでした。
「あなたが、よくなったら、家へ来るという約束をすれば。」
「ええ、いきます。」
マーチ夫人は、おとうさんのことを忘れないでいる老人と話したかったし、メグは温室が歩きたかったし、ベスはグランド・ピアノに心ひかれ、エミイはりっぱな絵や彫刻が見たかったのです。
「おかあさん。ローレンスさんは、なぜローリイさんがピアノをひくのをきらうのでしょう?」と、せんさく癖をジョウが出しました。
「よく知らないけど、ローリイさんのおとうさんが、イタリアの女の音楽家と結婚なさったのをきらうからでしょう。
ローリイさんがまだ小さいとき、両親がなくなったので、おじいさんがひきとったわけですが、
おかあさんのような音楽家になりたいなどという、望みを起されたら、こまるからでしょう。」
「まあ、小説みたいね。」と、メグ。すると、すぐに、ジョウが
「まあ、いやだ。音楽家になりたければならせて、いやな大学にいかせて、苦しめなくてもいいのに。」
 ひとしきり、ローリイのことで話ははずみました。話のすえに、メグがいいました。
「夜会であったけど、たしかにあなたの話のとおり、ローリイは、お作法を知ってるわ。おかあさんがあげた薬って、ちょっと、気のきいたいいまわしね。」
「白ジェリイのことでしょう?」
「まあ、なんておばかさんでしょう! あなたのことを、おっしゃったのよ。」
「そうなの。」と、ジョウは、思いがけないというようすで目をまるくしました。
「あんたみたいな人ってあるかしら? お世辞をいわれてわからないんですもの。」
かあさんのないぼっちゃんをみんなで親切にしてあげましょう。ローリイ、遊びに来てもいいでしょう、おかあさん?」
「ええ、ええ、けっこうです。それから、メグさん、子供はできるだけ、いつでも子供でいるほうがいいのよ。」
「あたし、じぶんを子供だなんていわないねまだ十三にもなっていないんですもの。」と、エミイがつぶやきました。「ベス、あなたはどう?」
「あたし、あの巡礼ごっこのこと考えていたの。
おとなしくなろうとして、失望の沼をとおり、試練の門をぬけて、けわしい山をのぼっていくことだの、あのりっぱなもののたくさんあるローレンスさんの家が、あたしたちの美しい宮殿になるかもしれないってことだの、考えていたの。」
「あたしたちは、まあライオンのところまで来ることができたんです。」と、ジョウは、ベスの言葉にいくらか賛成らしく答えました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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