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Episode-3 Have a Bone to Pick


Episode-3 Have a Bone to Pick
WORDS AND THEIR STORIES
ことばの由来-アメリカ英語の口語表現についての番組。
きょうの表現は「文句をいう」「物事にこだわらない」「失敗をする」のほか、骨にまつわる表現を取り上げよう。
人間を一つにまとめているのは骨である。
骨まで行くと、基部に達したことになる。つまり、人体の骨組みにである。
だから、人間を骨に達するまで切ったり、あるいは骨に達するまで削ったりすれば、もうそれ以上は行けないのである。
この地上の最初の男であったアダムはイブを「私の骨から作った骨」と呼んだ。
これから豊かで実りある男女の関係が始まったのだが、これにも幾多の変遷を経て来た。
時として深刻な争いの種になり、論争やけんかになった。
男女間のもめごとの種は途絶えたことがない。
今日では、これまでになく、ずっと深刻なものになっている。
女性の手による大幅な改革運動が成功して来ている。
女性には、アダムが要求する「我が骨より生まれし骨よ」的な仕事にはもううんざりなのである。
女性は、このような奴隷の境遇を終わらせるつもりなのだ。
女性は社会と、その社会を律する勢力、つまり男、に対して文句があるのである。
「だれかに対して文句をいう」というこの表現は、500年以上もの昔からある。
端的にいえば、解決せねばならぬ問題がある、とか不平を訴えて、その解答を求める、という意味である。
ドイツ語では「羽をぬく鳥」フランス語では「ほどかねばならぬ結び目」という。

女性は多年にわたり男の不公平に耐えて来たが、たびたびはっきりと主張し、謀反の態勢にあることを示して来た。
今日ほどそのことが真実味を帯びていることはない。
女性は「この問題にずっと取り組んで来た」だから、何が長年女性をしいたげて来たかを認識している。
そしてもっと有効に組織化しなければならないと悟った。
もう「失敗はしない」だろう-男女同権と、女性の自由を勝ち取る戦いに、もはや間違いはしないだろう。
「失敗をする」という表現は、古いアメリカのミンストレル・ショーから来ている。
このショーにはミスター・ボーンズなる人物が出て来るのだが、それは小道具に2本の短い骨を携えていたからである。
彼は仲間の一人から質問をうけて、ばかげてはいるがこっけいな返答をするのだった。
そこから「あほなことをする」という言い方が生まれた。
しかしそのうちに、"to pull a boner"は、ただおかしな答をするという以外の意味を持つようになった。
むしろ、大失策、高価につく失敗、という意味を持つようになったのである。
そしてそのような大失策をやらかした人は、よく「ばか者」と呼ばれるようになった。
すごい大失敗のいくつかは、軍部の指導者が犯している。
歴史家によると、第一次世界大戦の時、連合国の将軍たちは失敗につぐ失敗をやったけれど、結局戦争に負けはしなかった。というのはドイツ軍の将軍たちの方がもっと重大な失敗をしたからである。
ヒットラー以前で、最悪の失敗の一つといえば、ナポレオン皇帝がモスクワ遠征で犯したものである。
モスクワから退却中のフランス軍に何が起こったかは周知のところである。
しかし、ヒットラーのスターリングラード攻略に際して犯した失策はもっとひどいものだった。
ナポレオン軍の大敗退の例から何も教訓を学ばなかったようである。
スターリングラード市の城門のそばの凍りついた荒野でドイツ第六軍の全軍を失ったのである。
ヒットラーについてはいろいろのことがいえるだろうが、とりわけ、極めつきのばか者であった。とにかく、ヒットラーの側近の証言から得られるイメージはそういうことである。
 
Reproduced by the courtesy of the Voice of America
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