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LITTLE WOMEN 若草物語 17-1

Chapter Seventeen Little Faithful 小さな真心 1

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
 はじめの一週間というものは、マーチ家の美徳は、となり近所へ配給してもあまりあるくらいでした。
たしかにおどろくべきもので、たれもかれも申しぶんのない、よいきげんでしたし、わがままをおさえました。
けれど、おとうさんについて、はじめのような心配がなくなると、しだいに気がゆるみ、
標語の、せっせとはたらくということも怠りがちとなり、非常な努力のあとだもの、休んでもよかろうという気持で、たびたび休みました。
 ジョウは、髪をきった頭をつつまなかったので、かぜをひき、マーチおばさんは、なおるまで来るなといいましたので、それをいいことにして休みました。
エミイは、家の仕事をやめて粘土細工をやりだしました。
メグはキング家から帰ってする針仕事に、あまり身をいれなくなり、ワシントンへ手紙を書いたり、ワシントンから来た手紙をくりかえして読んだりしました。
おかあさんのことがこいしく、おとうさんのことが心配になるようなときは、戸だなへはいってすすり泣き、こっそり祈りました。
「メグねえさん、ハンメル家へいって見て来ていただきたいわ。
おかあさんはあの人たちのこと忘れないようにと、おっしゃったでしょう。」
 すると、メグはあまり疲れたからいけないといいます。
そこで、ベスはジョウねえさんに頼むと、
かぜをひいているからといってことわりました。
「あなた、どうしてじぶんでいかないの?」と、メグが尋ねました。
「あたし、まい日いってるのよ。だけど、あかちゃん病気していて、どうしていいかわからないの。
おばさんは、はたらきにいってしまうし、ロッチェンが看病してるけど、
だんだんわるくなっていくようよ。おねえさんかハンナがいかなければだめだと思うわ。」
 ベスが熱心にいうので、メグは明日いくと約束しました。
「ハンナに頼んで、なにかおいしいものつくって、もらって持っていっておやりなさいよ。ベス、外の空気はあなたの身体にいいわ。」と、ジョウはいって、また、いいわけらしく言葉をそえました。「あたしもいってあげたいけど、この小説書きあげてしまいたいのよ。」
 けれど、ベスは、「あたし頭痛がしてくたびれているの。たれかいって下さるといいのに。」と、いかにも疲れているようなようすでした。
「エミイが、もうじき帰ってくるわ。あの子に一走りいってもらうといい。」と、メグがいいました。
「では、あたしすこし休んで、エミイの帰るの待っていますわ。」 そういってベスは、ソファに横になりました。メグとジョウは、それぞれの仕事にかかり、一時間あまりたってもエミイは帰りませんでした。
ハンナは台所でいねむりをしていました。ベスは、しかたなしに、そっと頭巾をかぶり、かわいそうな子供たちにやるものをバスケットにいれ、悲しげな顔をしてつめたい風のなかを出かけていきました。
 ベスが帰ったのは、だいぶおそく、帰るとこっそり二階へあがり、おかあさんの部屋にこもりました。
ジョウが、用事でその部屋へいったとき、ベスが目をあかくして、カンフルの瓶を片手に持ち、薬箱に腰かけているのを見ておどろきました。
「どうしたの?」と、ジョウが尋ねると、ベスは近よってはいけないという手つきをしました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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