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LITTLE WOMEN 若草物語 21-4

Chapter Twenty-One Laurie Makes Mischief, And Jo Makes Peace ローリイのいたずら 4

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
つぎの第二巻を借りるために、梯子にのって書庫のたなをさがしました。そして、なんといって話を切り出そうかと思っていると、
「あの子は、なにをしたのかね? 
なにかいたずらをしたにちがいないが、
一言も返事をせぬからおどしつけたら、じぶんの部屋にはいってかぎをかけてしまった。」
「あのかた、わるいことをしたのです。けれどみんなで許してあげました。
そのことは、母にとめられていますから、申せません。
ローリイは白状して、ばつを受けました。
わたしたちは、ローリイをかばいません。ある人をかばうために、だまっているのです。
ですから、おじいさまも、どうかこのことには立ちいらないで下さい。かえって、いけません。」
「だが、あんたがたに親切にしてもらっていながら、わるいことをしたのなら、わしはこの手でたたきのめしてやる。」
 老人の心は、なかなかとけませんでしたが、ジョウは、そのわるいことが、たいしたことでないように、事実にふれないで、かるく話し、やっとうなずかせました。
けれど、この際、すこし老人にもじぶんのしうちを考えるようにしてあげたいと思って、「おじいさまは、ローリイに親切すぎるくらいですけど、ローリイがおじいさまを怒らせたりするときには、すこし気がみじかくはないでしょうか?」と、正直にいいました。
「いや、あなたのいうとおりじゃ、わしはあの子をかあいがっているが、がまんのならぬほどわしをじらすようなこともする。こんなふうだと、どうなるかな。」
「申しあげましょうか?あの人、家出しますわ。」
それは、わかいころ家出して、老人の意にそむいて結婚したローリイの父母でありました。
ジョウは、老人がくるしい過去を思い出しているのを察し、あんなこといわなければよかったと後悔しました。それで、ジョウはあわてていいました。
「でも、あの人、よっぽどのことがないと、そんなことしませんわ。ただ勉強にあきると、そんなことをいっておどかすだけなんです。
わたしだって、そんなことしたいと考えます。髪をきってからよけいそうです。だから、二人がいなくなったら、二少年をさがす広告を出して、インドいきの船をおさがし下さい。」
 ジョウは、こういって笑ったので、老人もほっとしたようでした。
「おてんば娘は、とんでもないことをいいなさる。
 ジョウは、わざと、すなおにいうことをきかないで、
詫状を書いて形式的にあやまれば、ローリイは、じぶんのばかもわかり、きげんをなおして来ますといつわりました。
「あなたは、なかなかくえない子じゃ。でも、あなたやベスに、いいようにされてもかまわん。
ジョウは、それを持ってローリイの部屋にいき、扉の下からそれをなかへいれ、きげんをなおして、おりて来るようにいいました。
「よく、わかって下すったわ。
御飯を食べれば気もはれる。」
 けれど、メグは、この事件のために、ブルック氏へ近づいたのでした。あるとき、ジョウは、切手をさがすために、メグの机のひき出しをさがすと「ジョン・ブルック夫人」という落書のしてある紙片がありました。ジョウは、悲しそうなうめき声とともに、その紙片を火になげこみ、ローリイのいたずらが、じぶんにとっての、不幸な日を、早めたことをしみじみと感じました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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