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LITTLE WOMEN 若草物語 21-3

Chapter Twenty-One Laurie Makes Mischief, And Jo Makes Peace ローリイのいたずら 3

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
どうしたのか尋ねると、
「きみのおかあさんから、だまっていろといわれたことを、しゃべらなかったもので、おじいさんからこづきまわされたのだ。
おじいさんは、ほんとのことをいえというが、
メグのかかり合いさえなければ、ぼくのやったいたずらだけは、いうつもりだったが、
それができないから、だまってがまんしたんだ。
だけど、しまいにえり首をつかまえたんで、ぼくはかっとなって、なにをやり出すかわからないので、部屋からとび出したんだ。」
「そうよ、きっとおじいさんも後悔していらっしゃるわ。仲なおりなさい、あたしもいっしょにいってあげるから。」
「だめだ、わるくないのに、二度もあやまるのはいやだ。
だいたい、おじいさんは、ぼくをあかんぼあつかいになさる。
かれこれ世話をやいてほしくないということを、おじいさんに知らせてやるんだ。」
「では、あなたこれからどうするの?」
「おじいさんがあやまって、ぼくが、どんなことがあったのか話せないといったら、信用してくれればいい。」
「それや、むりだわ。
あたしできるだけ説明してあげるわ。
あなたも、ここにいつまでもいて、芝居がかったまねをして、なんの役にたつのよ?」
「ぼくは、いつまでも、ここにいるつもりはないよ。
そっと家出して、旅行にいっちゃうんだ。おじいさんは、ぼくがいなくて、さびしくなったらわかるだろう。」
「そうかもしれないけど、とび出しておじいさんに心配かけるのわるいわ。」
「お説教はよしてくれ。
ぼくはワシントンへいって、ブルック先生にあうんだ。
あすこはおもしろいよ。いやな目にあったんだから、うんと遊ぶんだ。」
「いいわね、いっしょにいければ、いいんだけど。」と、ジョウが忠告者である立場を忘れてそういうと、ローリイは、
「来たまえ、すばらしいぞ、
お金はぼく持ってるし。」
 ジョウの趣味にかなった突飛な計画でしたから、いきたかったのですが、
 ローリイは、なおもすすめましたが、もうジョウはじぶんの立場をまもって、
このうえ、あたしに罪を重ねさせないでちょうだい。
それよか、もしおじいさんに、あなたをいじめたお詑びをさせたら、家出をやめる?」
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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