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LITTLE WOMEN 若草物語 6-1

Chapter Six Beth Finds The Palace Beautiful 美しい宮殿 1

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
 大きな家は、とうとう美しい宮殿になりました。けれど、みんながそこへいくのに、かなりの時間がかかり、ことにベスがライオンのそばをとおりぬけるのに、かなり骨がおれました。
そして、ローレンス老人は、一ばん大きなライオンでしたが、訪ねて来て、娘の一人一人に、おどけ言葉や親切な言葉をかけ、おかあさんとむかし話をしてからは、もうだれも老人をこわがりませんでした。
もう一つのライオンは、こちらが貧乏で、むこうが金持ということで、
それもそのうちに、ローリイが、貧乏でも、愛のこもった家から受けるなぐさめを、どんなにありがたがっているかがわかったので
、じぶんたちがローレンスの家から受けるものを、べつに恐縮しないでもいいと思うようになりました。
そして、そこに春の草のめばえのように、あたらしい友情がもえました。
 ローリイは、今までおかあさんの味も、姉妹の味も知らなかったので、マーチ家にみなぎるゆたかな、あたたかなものに心をひかれ、ひまさえあると、遊びに来ました。
「いや、かまわん。遊ばせておくさ。あとでとりかえせばいい。
マーチ夫人の意見のとおり、あまり勉強させすぎたのがいけなかったのだ。マーチ夫人がよくやってくれる」
 老人は、もうわかっていました。
そして、みんなはどんなにおもしろく遊んだでしょう! お芝居、そり遊び、氷すべり、にぎやかな夜会、たのしい談話。マーチ家からも三人の姉妹がおしかけ、
老人は、そのことを知って、わざわざ訪ねて来ておかあさんにいいました。
「ローリイは、ピアノを怠けています。やりすぎたから、いいあんばいなのですが、ピアノは使わんといかん。
いつはいって来てもいいし、口をきかんでもいい。だまって来て、だまってひけばいいんだが。」
 聞いていたベスは、もうたまらなくなって、「あたしベスです。音楽が好きです。おじゃまでなければ、まいりたいのですが」
「どうぞ。どうぞ。半日だれもいないんだから、えんりょなく、ピアノを使ってもらえれば、こちらからお礼をいわねばならん。」
 ああ、ベスは顔をほてらし、ローレンスさんの手をにぎり、お礼の言葉がいえないので、ただきつくにぎりしめました。
「わしには、こういう娘があった。ああ、かわいい子じゃ、さよなら、おくさん。」
 老人が大いそぎで帰っていくと、ベスはおかあさんといっしょによろこび、そのうれしいニュースを仲よしの人形たちに告げに二階へかけあがっていきました。
あくる日、老人とローリイが出かけたのを見とどけたベスは、こっそりと、客間へしのびこみ、ふるえるゆびでピアノをひきました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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