HOMEVOA Special EnglishEDGAR ALLAN POE: STORYTELLER.

ホームVOAスペシャルイングリッシュエドガー・アラン・ポー物語シリーズ

※本文をクリック(タップ)するとその文章の音声を聴くことができます。
  右上スイッチを「連続」にすると、その部分から終わりまで続けて聴くことができます。
で日本語訳を表示します。
※ "PlayBackRate" で再生速度を調節できます。

The Mask of the Red Death(1) 赤死病の仮面


The Mask of the Red Death 赤死病の仮面
EDGAR ALLAN POE: STORYTELLER. エドガー・アラン・ポー物語シリーズ
アメリカの作家、エドガー・アラン・ポオの書いた短編の一つを朗読でお送りします。
これらの朗読が、アメリカの口語英語の理解に役立つことを願っています。
きょうお聞かせしますのは、『赤死病の仮面』というポオの小説です。
仮面というのは、人に見られても誰かわからないように、目や顔の上に着けるものですね。
昔は、特別の日に、人々はよく着飾って仮面をつけ寄り集まったものです。
人々は踊ったり笑ったりして、仮面をかぶった人が誰かを当てようとしました。
このようなパーティーを「仮装舞踏会」といいました。
ポオが書いた仮装舞踏会はたいへん変わったものでした。
お聞きください。
赤死病が国中に久しく蔓延していた。
これほど死亡率が高く、見た目に恐ろしい病気の蔓延は、いまだかつてなかった。
血すなわち血の赤みと血の恐ろしさが特徴だった。
激しい痛みがあったかと思うと、頭の、中がぐるぐる回るような感じの発作が起こった。
それから、傷口もないのに皮膚から血がにじみ出て、やがて死が訪れるのであった。
病人のからだ・・・殊に顔に出るまっ赤な斑点を見ると、人々は助けの手を差し伸べるのも恐ろしくて、顔をそむけた。
しかも、この病気はいったんかかると、ものの半時間とはもたなかったのである。
ところが、この国の支配者であるプロスペロは、陽気で丈夫で利口だった。
彼は自分の国の人間の半数が死んでしまうと、千人の健康で陽気な友だちを呼び集め、彼らとともに遠く離れたところまで行き、自分の宮殿の一つに住んだ。
そこは、彼自身が設計した、大きくて美しい石造りの建物だった。
周りにはがっちりとした高い塀がめぐらされていた。
この塀には、鉄製の門がしつらえられていた。
殿方たちは中へ入ると、だれにも開けられないようにしっかりと門を閉めるために、火を持ってきて門の鉄を溶接した。
この人たちは、ここでは赤死病という病気のことなんか忘れ去ることができた。
外の世界のことは、外の世界でなるようになればよいと思っていたのである。
プロスペロは、自分たちの快楽のために必要なものはすべてとりそろえた。
音楽あり、踊りあり、美女あり、食べ物あり、酒あり、といった具合である。
これらはすべて塀の内側にあって、ここにいる限り危険から守られていた。
しかし一歩外へ出ると、そこには赤死病が横行していたのである。
ここへ来て5か月近くたったころ、プロスペロはすべての友人たちを仮装舞踏会に招待した。
だれもが、布マスクで目を場合によっては、顔全体を覆い、華やかな衣服をまとって参加するように求められていた。
この仮装舞踏会は豪華を極めたものであった。
プロスペロの友人たちが踊った部屋は7つあった。
古い宮殿ではこういったいくつもの部屋が一目で見渡せるように扉を開けておけるようになっているのが普通だった。
ところがこの宮殿はそうではなかった。
一度に見えるのは一部屋に限られていた。
20~30ヤードごとに曲がり角があった。
どの壁の中ほどにも、右や左に、縦長のとんがり窓が取ってあった。
これらの窓には、部屋と同じ色のガラスが入っていた。
1つ目の部屋は青い布の壁掛けで、窓も青だった。
2つ目の部屋は青味がかった赤、つまり紫色の壁掛けで、ここでは窓も紫だった。
3つ目は緑色の部星だったので、窓も緑色だった。
4つ目は壁掛けも窓も黄色、5つ目は白、6つ目はすみれ色だった。
ところが、7つ目の部屋は、壁掛けは黒いりっぱな柔らかい布でできており、暗夜のように黒く、床も同じ重い黒い布で覆われていた。
この部屋では、窓の色は部屋と同じではなかった。
赤-それも、濃い血のような赤だった。
どの部屋も、明かりは外側の窓越しに取ってあった。
したがって、明かりが踊り手の姿を色に染めるので、まことに異様な照明となった。
なかでも、血のような色をしたガラスを透して黒い壁掛けに当たる光は、一番恐ろしかった。
部屋に入ってくる人の顔にこの光が当たると、とても恐ろしい顔つきに見えるので、これらの暗い壁に囲まれた部屋に入っていく踊り手はほとんどいなかった。
この部屋には、黒い木でできた巨大な時計が立っていた。
この時計は一秒一秒静かに時を刻んでいたが、1時間ごとに時を告げる時は、大きくはっきりと聞き取れる声で、音楽のように美しい太くて低い調子でしゃべるのであった。あまりの不思議さに、音楽も踊りもハタと止まり、踊り手たちはじっと立ち止まって耳を傾けた。
そして、また60分、つまり、また3600秒という「時」があっというまに過ぎていく「時」が流れると、またもや時計は時を告げ、踊り手たちも前回同様に立ち止まるのであった。
 
Reproduced by the courtesy of the Voice of America
QRコード
スマホでも同じレイアウトで読むことができます。