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LITTLE WOMEN 若草物語 14-3

Chapter Fourteen Secrets 秘密 3

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
「見たんだよ、
ポケットに。」
「ずっと今でも?」
「ええ、ロマンティックじゃない?」
「いいえ、こわいわ。
きらいだわ。ばかばかしい。たまらないわ。メグねえさん、なんていうかしら?」
「たれにもいわないでよ、
きみを信用したからいったのさ。」
「それじゃ、当分はいわないわ。でも、いやね。聞かしてくれなければよかった。」
「ぼくは、きみがよろこぶかと思った。」
「たれかがメグをつれ出しに来るっていうことを、あたしがよろこべますか。
ああ、あたしには秘密ってものは性に合わない。あなたがそんなこと聞かすものだから、気持がくしゃくしゃしちゃった。」 ジョウが不満らしくいうと、
ローリイは、「この坂を競走しておりよう。そうすれば、気持がさっぱりするよ。」
ジョウは走り出し、帽子もくしもふり落し、髪をふりみだし、目をかがやかしました。もう不満な色はありませんでした。
「あたし馬だったら、こんなに気持のいい空気のなかを、いくらかけても息がきれないでしょう。
ああおもしろかった。でも、このおかしなかっこう。
あたしの落したものひろって来てよ。」と、ジョウは紅葉のちっているかえでの木の下にすわりました。
そして、髪をなおしました。そのあいだにローリイは、ジョウの落しものをひろいにいきましたが、
そこへ訪問がえりのメグが、りっぱな服を着て、貴婦人みたいに大人びて、通りかかりました。
「年をとって、身体がこわばって、松葉杖をつくるようになるまでやめないわ。
あたしを大人あつかいにするのいやよ。
おねえさんが、きゅうに変ったのを見るのつらいわ。
せめてあたしだけいつまでも子供にしておいて。」
 ジョウには、メグが大人びていくように思えるのに、ローリイのいった秘密から、やがて別れというおそろしいときが、近く来そうな気がしました。
「ガーデナアのところへ、サリーは、ベル・マフォットの結婚のことをすっかり話してくれました。
とてもりっぱでしたって、お二人はこの冬をパリで送るために、もうおたちになったのよ。
どんなにうれしいでしょうね。」
 そこへ、ローリイも帰って来て、ジョウといっしょに、メグの結婚のことを話しているうちに、とうとうメグは、
「あたし、たれとも結婚しないわ。」と、つんと気どって歩きはじめました。二人はその後から、子供みたいに、笑ったり、つつき合ったりしてついていきました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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