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LITTLE WOMEN 若草物語 4-1

CHAPTER FOUR Burdens 重い荷をかついで 1

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
「やれやれ、またお荷物かついで仕事をはじめるの、なんてつらいんでしょう。」 会のあくる朝、メグはため息をつきました。一週間たのしく遊んだあとで、いやな仕事はやすやすはじめられませんでした。
「いつまでも、クリスマスかお正月だといい。
そうしたらおもしろいでしょうね。」と、ジョウは、あくびまじりに答えました。
「そしたら、今よりか半分もおもしろかないわ。
だけど、お夜食や花束をいただいたり、会へいったり、馬車で帰ったり、読書したり、休養したりして、こつこつはたらかないですむような人、うらやましいわ。」と、メグがいいました。
「でも、そんなことできないわ。だから、ぐちをこぼさないで、おかあさんみたいに、ほがらかに歩いていきましょう。」
「ああ、いやだ。せっせとはたらいて、年をとって、きたない気むずかし屋になるんだわ。貧乏でおもしろく暮せないばっかりに。」
 こういってメグは、ふくれた顔をして階下へいき朝の食事のときもふきげんでした。
みんなも気分がひきたちませんでした。
ベスは頭痛がするので、ソファの上に横になり、親ねこと三びきの子ねこを相手に気をまぎらそうとしました。
エミイは勉強がはかどらないのに、ゴム靴が見つからないのでぷりぷりしました。
ジョウは口笛をふいて、さわぎをひきおこしかねないようすでした。
おかあさんは、いそぎの手紙を書くのにいそがしく、ハンナも前の晩おそかったので、ふきげんでした。
「こんないじわるの家ってありやしない!」ジョウは、インキのつぼをひっくり返し、靴のひもを二本とも切ったので、とうとうかんしゃくを起して、じぶんの帽子の上にどさりとすわり、大声でそうさけびました。
「なかで、あなたが一ばんいじわるよ。」と、エミイがやり返し、石盤の上にこぼした涙で、まちがいだらけの計算を消してしまいました。
「ベス、こんなうるさいねこ。あなぐらにほうりこんでおかないと。水でおぼれさせれしまうわよ。」と、メグは、じぶんのせなかにかじりついたねこを、はなそうとしながらいいました。
 ジョウは笑う。メグはしかる。ベスはあやまる。エミイは、十二の九倍がいくつになるか、わからなくて泣きました。
「さあ、しずかにしておくれ、今朝早く出さなければならないのに、がやがやうるさくして、書けやしません。」と、おかあさんは手紙の書きそこないを消しながらいいました。
 それで、ちょっと静まりました。ハンナが来て、熱いパイを二つおいて、出ていきました。
姉妹たちのいく道は遠く寒く、三時前までに帰れないので、これはおべんとうでもあり、また、手をあたためることもできました。それでこのパイのこと「マフ」ともよんでいました。
「では、かあさんいってまいります。今朝はあたしたちだだっ子でした。でも、天使になって帰って来ます。」
 ジョウは、そういって、メグといっしょに出かけました。
町角でふりかえると、いつも窓でにっこり笑うおかあさんの顔があり、それが励ましになるのでした。
二人は今朝もふりかえり、おかあさんの笑顔を見ると、元気になろうとつとめ、しばらく歩いてから、べつべつの道をいきました。メグは保姆の仕事、ジョウはマーチおばさんのところへはたらきにいくのでした。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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