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The Wright Brothers(1) ライト兄弟


The Wright Brothers ライト兄弟
AMERICAN MEN of SCIENCE and INVENTION
1903年、ウィルバーとオービル・ライトという兄弟が、ワシントンD.C.の政府の役人に革命的な発明を報告する手紙を送った。
彼らは次のように書いた。「私たちほ、過去5年間続けてきた数々の実験の結果、飛行機を作ることができました。」
しかし、この時代には、このようなことが成功するなど、不可能だと考えられ、この手紙と発明は無視された。
だがライト兄弟は、実際にこの「不可能」を成し遂げたのであり、それも偶然に成功したわけではなかった。
それは、何年間もの研究、実験、そして努力の結果、成功したのであった。
子どものころから、この兄弟は、ものを作る才能があった。
彼らの父は、彼らを励まし、計画に必要な費用は、自分たちでかせぐように言った。
4歳しか離れていない兄弟ほ、2人とも特に機械に興味を示した。
この興味に加えて、彼らの開拓者精神と独創的な考えが、ついに「不可能な」機械、飛行機を作り出したのである。
教養のない若者だったが、ライト兄弟は、何千年もの間、世界中の偉大な学者がその才能をもってしても発見することができなかった、飛行の秘密を初めて見つけ出したのだった。
彼らの空を飛ぶ夢との出会いは、幼いころ父がおもちゃのヘリコプターを買い与えた時だった。
それは、実際には、飛ぶこまであり、今日たいへんに役に立っている、よく見かける飛行機の未完成な原型だった。
少年たちは、そのおもちゃを観察し、バラバラにして、最後には捨ててしまった。
しかし、これが飛ぶ原理は、彼らの記憶に残っていた。
次に彼らは、空を飛ぶ凧を観察した。
そして、鳥を見て、空に舞い上がる翼の持ち上がり方、流れるさまを観察した。
兄弟は、大きくなっても飛行の研究を続けた。
彼らは、昔の人々の飛行への試みの歩みについて、そしてまた最新の実験報告などを読んだ。
このような研究のおかげで、正式な技術教育の欠如を補うことができた。
しかし実験を始めたころから、研究には金がいることを知った。
この資金を得るため、兄弟は、1892年に、オハイオ州デイトンで自転車屋を始めたが、彼らの関心は、飛行の研究にあった。
彼らは、空を飛ぶ方法として2種類の考え方があることを知った。
まず、凧のように飛ぶグライダーを考えている人たちがいた。
そしてもう一方には、鳥を模倣(もほう)し、翼の動きまでをまねする、モーターを使った機械で実験をしている人々がいた。
ライト兄弟は、まずモーターなしのグライダーで実験を始めることにした。
彼らは、まだ未完成ではあるが、飛行機を作ってそれをアメリカ東海岸へ運んだ。
彼らは海岸沿いで砂がやわらかく、またそれにも増して、風が安定している場所を見つけたかったのだ。
彼らが選んだのは、ノースキャロライナ州のキティーホークだった。
そこで1900年の終わりころ、兄弟は最初の有人グライダー飛行に成功した。
ウィルバーがパイロットであったが、これは、人が空を「滑空」できることを証明しただけだった。
もっと重要な問いの答は、まだ出なかった。人は空を「飛ぶ」ことができるのだろうか。
その後3年間、ライト兄弟は、グライダーの改良に努め、特に操縦装置と翼の形に注意を払った。
翼の一部を動かせるようにして試すと、操縦の面では、重要な改良となった。
それからオービルはエンジンを設計し、兄弟で組み立て、飛行動力を得るためにグライダーに取り付けた。
彼らはまた、大事なプロペラも何種類かを実験した。
この風変わりな新しい飛行機は、しだいに姿が明らかになっていった。最初にライト兄弟の頭の中で、そして実際に、彼らの小さな自転車屋の庭で形を成してきた。
しかしそのころ、科学者の間では、空気よりも重い機械で空を飛ぶのは、不可能だという結論に達しようとしていた。
すでに動力を使った飛行磯の実験では、高価な失敗が何度もあり、科学者は、このような飛行はむりであると言っていた。
しかし30歳を越えたライト兄弟は、落胆しなかった。
彼らは、教育を受けた科学者たちが見つけることのできなかった飛行の基本原理を、実験によって見つけていた。
そこで兄弟は、再びキティーホークの砂丘へもどった。
今度は冬のさ中だった。
日付は、1903年12月17日だった。
ライト兄弟の木材と布で作った飛行機は、飛ぶには、あまりにもたよりなく見えた。
だがその朝、10時35分、兄弟は、最終テストを行った。
最初2回の離陸の試みは、失敗に終わった。
 
Reproduced by the courtesy of the Voice of America
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