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Episode-31 The Real McCoy
Episode-31 The Real McCoy
WORDS AND THEIR STORIES
そして、今使っている話しことばの一部になっている。
きょうの話は、「本物」ということばを取り上げ、それがどのようにしてでき、アメリカ英語の一部として認められるようになったかについてである。
もしもだれかが、ある人をまたは何かを"the real McCoy"だといったら、それは本物であるといっている、つまりそのような人、または物に、とって代わるのがないということだ。
いくつかの説があり、どうしてこのことばが一般的に使われるようになったかを説明している。
おそらく、最もよく知られている話は、有名なボクサー、ウェルター級世界チャンピオンであったチャールズ・キッド・マッコイにまつわるものだろう。
ある日、マッコイはあるバーで女友だちと一杯飲んでいた。
マッコイは、事を荒立てたくなかったので、彼に向こうへ行くようにと頼んだ。
それ以上いう必要もないだろうと思った。しかし男は彼を信じなかった。
彼はいった。「そうかい。もしあんたがキッド・マッコイなら、おればジョージ・ワシントンだ」
そして、チャンピオンの友だちへのいやがらせをやめなかった。
マッコイは、その男を握りこぶしで殴った-強くではなく、
10分ほどして気がつくと彼はいった。「本物のマッコイだ」
キッド・マッコイがいったように、"the real McCoy"という表現はこのようにして生まれた。
しかしほかの説もある。そのうちの一つは禁酒法の時代にさかのぼる-アメリカで、ウイスキーを売ることが違法だったころである。
法律に違反してはいたが、多くの人々はウイスキーを、それも質の悪いウイスキーを売っていた。
彼らが何も恐れずにこれをやったのは、だれもその行為に対して手を打てなかったからである。
ウイスキーを買うことも、売るのと同じく違法であった。
彼は質の悪いウイスキーを客に売ることをしなかった。
いつのまにか、彼のウイスキーは最高級品という代名詞になり、"the real McCoy"と呼ばれるようになった。
このことばは禁酒法時代後も残り、一般的な表現となった。
どちらにせよ、いかにこの表現が始まろうと、"the real McCoy"は、だれでも理解できることばである。
Reproduced by the courtesy of the Voice of America