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LITTLE WOMEN 若草物語 23-3

Chapter Twenty-Three Aunt March Settles The Question マーチおばさん 3

Alcott, Louisa May オルコット ルイーザ・メイ
AOZORA BUNKO 青空文庫
 老婦人は、メグがこんなことをいい出したのでおどろき、
お前さんはりっぱな結婚をして家の者を助けなければならないのです。」
「いいえ。両親ともそんなこと考えません。両親ともジョンが好きです。貧乏ですけれど。」
「お前さんの両親は、世間知らずのねんねだからね。
そのブルックとやらは、貧乏で、金持の親類もないそうだね。」
「でも、親切な友だちがたくさんいますわ。」
「友だちがなんの力になるものか、それに、その男には職業もないんでしょう?」
「まだ、ありません。ローレンスさまがお世話して下さいます。」
とにかくお前はもうすこしりこうだと思っていたが。」
「ブルックさんは、りっぱなかたです。かしこいし、才能もありますし、勇気もおありになります。
「あの男は、お前に金持の親類があるから、それでお前を好きになったんだよ。」
「まあ、どうしてそんなことおっしゃるんですか? 
 メグは、そこまでいって、もしかジョンに聞かれたらと思って、はっとして言葉をきりましたが、
あたしは、もうお前のおとうさんにあう気力もない。
結婚したからって、あたしからなにかもらうなんて考えたってだめです。
永久におさらばだよ。」と、
おそろしい顔つきで帰っていきました。
「メグ、ぼくのこと弁護して下すってありがとう。それから、おばさんにはあなたがわずかにしろぼくのこと愛して下さることを証明して下さったお礼をいいますよ。」
「おばさんが、あなたのわる口をいい出すまでは、どんなにあなたを思っていたか、わたしにもわかりませんでしたわ。」
「では、ぼく帰らないで、ここにいて幸福になれますね、え?」
と、ジョンがいいましたが、ここでもつんとすまして立ち去るわけでしたが、メグは、ええとやさしくささやいて、ジョンの胸に顔をうずめ、ジョウの手前、永久に頭のあがらぬことになってしまいました。
ジョウは悲痛なさけびとともにとび出し二階へかけあがり、「ああ、たれか早く階下へいって下さい。
ジョンがおかしなまねをして、おねえさんがよろこんでいるわよ!」
 おとうさんと、おかあさんは、いそいで階下へいきました。ジョウは、ベスとエミイにおそろしいニュースを聞かせながら、ののしりわめきましたが、
二人ともむしろそれをうれしいニュースと考えていたので、ジョウはじぶんの屋根部屋へいき、そのなやみをねずみたちにうち明けました。
 
Copyright (C) Louisa May Alcott, Masaru Mizutani
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