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Episode-10 Get Ones Goat


Episode-10 Get Ones Goat
WORDS AND THEIR STORIES
ことばの由来-特別英語番組。
どの言語でもそうだが、アメリカ英語には変わった表現がたくさんある。つまり人々の日常生活から生まれ、独白に発達した慣用句である。
きょうの表現は"to get one's goat"-「人を怒らせる」という意味である。
やぎは昔から知られた動物でいろいろ人間のためになって来た。ミルク、肉などのほか、いろいろな物に役立って来た。
けれども、汚い、罪深い動物としてけられ、打たれ、非難されて来た。
それでも大小様々な方法で人間の役に立っている。
やぎが人間のためにささやかに役立っているうちの一つが、言語の面においてである。
辛らつなうえ、生き生きとした言い回しで、やぎという語を含む物を思い出せば、どれだけやぎが表現の彩りに役立って来たかおわかりになるだろう。
アメリカで発達した特に一般的な表現は"to get one's goat"ということばである。だれかをいやがらせ、いらいらさせ、平静さを失わせ、怒らせるという意味である。
「あれは実際私のやぎをとった(全くしゃくにさわる)」といっている人があれば、本当にその声にまで怒りの感情がありありと表れているようで、どのくらいその人がいらだち、怒っているかがわかる。
でもへんな言い回しだ。
その語源を探ろうとする努力は不成功に終わった。
フランスにも同じ言い回しがあり、100年以上も前からフランスでは使われているそうである。
アメリカでの言い回しはそれほど古くはない。
専門家はこのアメリカで使われていることばは、フランス語の表現から来たのではないと考えている。
もしそうならば、その使用は1900年よりもずっと昔のことだっただろう。
最初にアメリカで使われたのは、1912年に小説家のジャック・ロンドンが書いた『スモーク・ベロー』という本の中でである。
ロンドンは、雪でできた橋を渡る2人の男の話を書いている。
橋は崩れかかっているようだ。
1人が渡ったあとでもう1人にどなった。「下を見るな。いらいらする」
ほかにも一つ、この言い回しの起源についての説があるが、これはあまり信じられていない。
でも面白い話である。
競馬場で、やぎがときどき馬の間を動き回ったということである。
やぎが神経質になった競走馬を静かにし、気分を平静にすると考えられた。
だから他人のやぎを盗む人があれば、盗まれた人の馬は神経質になるというわけである。
そうすれば、自分の馬は競馬に勝つ目が出るといったところだ。
だから他人のやぎをとることは悪意のある行為で、その人を怒らせることなのである。
 
Reproduced by the courtesy of the Voice of America
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