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Episode-24 Go Haywire
Episode-24 Go Haywire
WORDS AND THEIR STORIES
どの国民も特有の言い回し-独特な表現、イディオムを持っている。
どのようにしてアメリカ英語に入って来たのだろうか。
きょうは、変わった表現、"to go haywire"である。意味は荒れ狂う、気が狂う、狂気になるである。
最近、新聞を読むとこう思わずにはいられない。「世の中は狂ってしまったのか」
見出しを一目見れば、話は国内でも海外でも同じだ。誘かい、ハイジャック、爆弾、殺人である。
干し草用針金は、強い、細い針金であり、農夫が干し草をしばるために使う。
なかなか切れず、干し草の束をほどくには手おのが必要である。
作家H.L.メンケンは、次のことが「気が狂う」という表現の始まりだったと説明する。
「だれでも、干し草の包みにまいてある強い針金を切り、それが自分に跳ね返るのを見たことがある人ならば、どうして"go haywire"という表現ができたかよくわかるだろう」
「なぜなら」とメンケンはいう。「針金は、へビのように急に跳びかかり、体に巻きついて、その鋭い先端が体につきささる。
その動きは、素早く、そして荒々しく、全く予測できないものである。
この言い回し"go haywire"は、それほど古くはないが、だれもはっきりとアメリカのどこで使われ始めたかは知らない」
しかし、作家チャールズ・ファンクは、メンケン氏と全く同じ意見ではない。
彼はいった。「"go haywire"ということばには、気が狂うという意味のほかにも意味がある」
「このことばが表すのは、混乱、乱雑、取り散らかった状態、つまりごた混ぜということで、すべてが一緒になってしまって乱雑になっているのである」
「ほとんどの農夫は」とファンクはいう。「干し草用針金を壊れたかきねや門などの応急修理に使う。
干し草用針金を永久的修理には決して使わない。すぐにさびてしまうからである」
「しかし農夫、きこり、牧場主、鉱夫に、怠け者で何かを永久的に直すためのエネルギーもない者もいる。
彼らは、いつまでも干し草用針金の切れはしで臨時的な修理ばかりする。
その結果、彼らの機械、道具、かきね、門、納屋や家は修繕され、さびた針金だらけとなる。
そのうちに、たくさんのさびた干し草用針金が至る所に散らばり、乱雑で取り散らかってくる。
ファンク氏がそのような所を見たのは、コロラド州の鉱山キャンプ、ワイオミング州の牧場、そしてカリフォルニア、アイダホ、ユタ州の農場であった。
彼は、これが"gone haywire"の由来だと思っている。
それでも、ただ一つ論争の余地もないことは、この表現がアメリカ中で広く使われていることだ。
彼らにとって、その意味は、荒れ狂う、気が狂う、狂気になるということである。地球の両側で起こっているいろいろなことを説明するにはよいことばである。
Reproduced by the courtesy of the Voice of America