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Episode-34 Sucker


Episode-34 Sucker
WORDS AND THEIR STORIES
ことばの由来-独特なアメリカ英語表現についての番組。
どんなことばにも歴史がある。
「お人よし」ということばには長い歴史がある。
「お人よし」とは、容易にばかにされ、かつがれ、だまされる人をいう。
「お人よし」ということばが、どのようにして使われるようになったかについては、いくつかの説がある。
一つは、ヨーロッパ人の植民者がアメリカへやって来たころにさかのぼる。
話はこうである。植民者は、新しい土地の湖や川で、奇妙な魚を見つけた。何種類も、以前には見たことがないものだった。一つが特にそうだ。ちいさな魚で、深い所を泳ぎ、川底のえさを吸い上げた。
それができたのは、その魚の口の形のためである。
植民者はこの魚をサッカー(吸い込むもの)と呼ぶようになった。
その後、ほかにも同じようにえさを口に吸い込んでとる魚を何種類も見つけた。
それらもサッカーと呼ばれた。
サッカーはどこにでもおり、どんなに下手な釣人でも釣ることができた。
そのうちに、このことばはいいかもを表すようになった。
しかし別の説明によると、このことばは、知らずに何かにだまされる人から来たという。つまり何か怪しげな事業や計画に引き込まれ、ばかにされ、だまされる人である。
例えば、1842年のある新聞によると、馬車の御者が乗ろうとする客に次のようにいったという。「私は、夜中に、客を乗せる必要はないんだ。だから私を利用しようとしないでくれ」
また、ある新聞が教会の説教について報じていた。
牧師はこういった。「こういわずにはいられない。人生とは全くくだらない。ぞっとするようなぺてん、たいへんなごまかしだ」
第3に、もっと最近の説では、「お人よし」ということばが作り出されたのは、乳児-まだ母親の乳を吸っている赤ん坊-のように人を信じる無垢な人を表すためだということである。
もちろん、こんな人をだますのは、むずかしくない。
「お人よし」ということばが有名になったのは、アメリカの興行師P.T.バーナムによってである。
彼がいうには、お人よしが毎分生まれている。
バーナムにとって、けっこうな金を払って、彼の珍奇なショーを見る人はお人よしであり、だまされて当然であった。
バーナムはこれらの人々を語るに当たって、もっと思いやりのあることばを使うべきであった。
彼らはお人よしであったかもしれないが、彼らのおかげで彼のショーは成功したのだ。
今日の社会では、新しいタイプのお人よしがいて、天使と呼ばれることがある。
彼らは説得されたり、だまされて、お金を何かの計画に出すような人である。
それは政治のキャンペーン、主義、団体のためでもよいし、新しい劇のためでもよい。
計画の数は、それを支えるお人よしの数だけある。
専門家やスタッフは、サッカー・リストと呼ばれるものを作るのに一生懸命である。そこには、お金を出しそうな人の名が載っている。
『フィラデルフィア・ブリテン』という新聞によると、電話帳はサッカー・リストとして作られたのではないが、頭のいい人にはそのように使用することもできるということだ。
これは考えてみると恐ろしいことだ。
何百万もの人々が電話を持っており、そのすべてがサッカー・リストの有望な候補者なのだ。
だから我々は、お人よしに対して無情であってはいけない。
彼らも、我々も現代社会の一部なのである。
 
Reproduced by the courtesy of the Voice of America
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