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Episode-26 Side
Episode-26 Side
WORDS AND THEIR STORIES
アメリカ英語には、ちいさなことばでも大きな役割を果たすものが多くある。
例えば、"side"ということばは、数えきれないほど多くの役をする。
時として新しいことばを覚えるためには、それを物語として聞いた方がやさしいようである。
きょうの話は7時に始まる。アメリカのどこにでもある話である。
7時が鳴ると、アメリカ人は仕事に行くためにベッドからとび出す。
急いで、急いで、ひげをそり、シャワーを浴び、歯をみがき、食事をし、そしてまた電車なりバスへと急ぐ。
サイド・テーブルの時計に起こされたのでは、いらいらして怒りっぽくなるのも無理はない。
夢はとても楽しかった。だから、急いでいてはきげんが悪く、楽しい気分になれない。
朝食はもう用意ができているらしい。入れたてのコーヒーがいい香りだ。
新聞の見出し「電車、乗用車に接触。負傷者2名」を見ながら妻を横目でちらっと見やるかもしれない。
だがそれから、帽子と上着をつかんで、歩道を行き、待っている電車へ向かう。
そこで何人かの古くからの友人に会う。親友である。これでいくらかこの朝もましになったようだ。
古い親友であるチャーリーは役人である。しかし彼は副業を持っている。
長いもみ上げがあるジムは、質問に対してはっきりした答を出さない。
どんな論争をも避ける。まるでいつも人とうまくやっていきたいとでもいうようだ。
彼はちょっとひょうきん者で、いつも、すかさずジョークをとばしたり、腹の皮をよじらせるような話をする。
時にはその話も間が悪く、おかしく笑えないことがある。
ヘンリーは、おとなしい男で人生に対してまじめである。
たぶんそれは、彼が成功するまでに苦労したからだろう。
毎日仕事に向かう電車に乗ると、彼が昔住んでいた町の東側にある壊れた家々が見える。
我々は皆、よい仕事を持っており、法律も守って来た。
しかし毎朝電車の中では、なぜか政治の話になってしまい、
時には、あまりにも大きな声で議論をするため、他の乗客が私たちを横目で見る。まるで私たちが幕間つなぎの芸をやっている道化師であるかのようにである。
再び道を急いで歩く。足の遅い人をよけ、会社へ着くと、ばかげた振舞いをやめて、落ち着いてまじめに仕事をする。
Reproduced by the courtesy of the Voice of America