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シャーロック・ホームズ 四つの署名 1-3
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Sherlock Holmes シャーロック・ホームズ
The Sign Of The Four 四つの署名 第一章 推論の科学 3
Sir Arthur Conan Doyle アーサー・コナン・ドイルAOZORA BUNKO 青空文庫
「その通り！」私は言った。「どちらも正しい！
だが、どうやってそれに到達したのかが分からない。
急な衝動でそうしたので、誰にも言っていない。」
「それは極めて単純だ」と彼は私の驚きに笑いながら言った。「あまりに単純すぎて説明するまでもないが、それでも観察と推論の限界を定義するのに役立つかもしれない。
観察は、君の足の甲に少量の赤い土がついていることを教えてくれる。
ウィグモア街の郵便局の向かいで舗装工事をしていて、そこには避けようのない土が投げ出されている。
その土は、私の知る限り、この近所では見られない特有の赤い色をしている。
それが観察だ。
残りは推論だ。」
「では、どうやって電報を送ったことを推論したのか？」
「もちろん、君が手紙を書かなかったことは知っているよ。午前中ずっと君の向かいに座っていたからね。
また、君の開けた机の中に、切手のシートと大量の絵葉書があるのも見た。
では、郵便局に行く理由は電報を送ること以外に何がある？
他の要素を排除して残ったものが真実に違いない。」
「今回は確かにその通りだ」と私は少し考えてから答えた。
「しかし、それは君が言う通り、最も単純なことだね。
君の理論をもっと厳しく試しても構わないだろうか？」
「むしろ歓迎するよ」と彼は答えた。「それでコカインの二回目の服用を避けることができるからね。
「君は、日常的に使う物にはその人の個性が必ず何らかの形で刻まれるため、訓練された観察者ならそれを読み取ることができると言ったことがある。
今、私の手元には最近手に入れた時計がある。
亡くなった持ち主の性格や習慣について意見を聞かせてもらえないだろうか？」
私は時計を彼に渡しながら、心の中で少し笑っていた。試みは不可能だと思っており、彼の時折見せる独断的な態度に対する教訓にしたかったからだ。
彼は時計を手に取り、文字盤をじっと見つめ、背面を開けて機械を裸眼で、次に強力な凸レンズで調べた。
最終的にケースを閉じて時計を返してきた時の彼のがっかりした顔を見て、私は笑いを堪えるのに苦労した。
「ほとんど手掛かりがない」と彼は言った。
「時計は最近掃除されたばかりで、最も有用な手掛かりが失われている。」
「その通りだ」と私は答えた。
「掃除されてから送られてきたんだ。」
内心では、彼が失敗を隠すためにとても弱い弁解をしていると思っていた。
掃除されていない時計からどんなデータが期待できるのだろうか？
「不満足ではあるが、私の調査は完全に無駄ではなかった」と彼は言い、夢見るような虚ろな目で天井を見上げながら言った。
「君の訂正を受け入れるが、時計は君の兄が父親から受け継いだものだと判断する。」
「それは時計の裏にあるH.W.から推測したんだろう？」
「そうだ。W.は君自身の名前を示している。
時計の年代はほぼ50年前で、イニシャルも同時代のものだ。だからこれは前世代のために作られたものだ。
通常、宝石類は長男に受け継がれ、彼が父親と同じ名前を持つことが多い。
君の父親は、確かずいぶん前に亡くなっている。
それゆえ、これは君の兄の手に渡った。」
「ここまでは正しい」と私は言った。
「他には？」
「彼はだらしない習慣を持っていた。非常にだらしなく不注意だった。
良い見込みがあったが、それを台無しにし、貧困の中で過ごし、時折繁栄の短い期間があった。そして最終的には酒に溺れ、亡くなった。
それが私が読み取れるすべてだ。」
私は椅子から跳び上がり、部屋の中をイライラと歩き回った。心にはかなりの苦々しさがあった。
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